4月上旬に、講師全員の氏名を公表予定です
①「家族療法・ブリーフセラピーにおけることばと会話」
*日本ブリーフサイコセラピー学会との共同企画
家族療法とブリーフセラピーはその出自を同じくしており、共通する重要な伝統の一つはクライエントと家族及び関係者の力を引き出すための“ことばと会話”の開発にある。エリクソン催眠,MRIブリーフセラピー、解決志向アプローチ、ナラティヴ・アプローチそしてオープンダイアログへと続く系譜を辿り、対人援助に向けたさらなる意義を探っていきたい。
②「家族と関係者への支援~システムズアプローチの観点から~」
今日、あらゆる対人援助領域において、家族と関係者さらに専門職間でのさらなる連携・協働の必要性が求められている。そのための理論と具体的な方法について家族療法のベースであるシステムズアプローチの意義を再確認すると共に、より効果的なコンサルテーションの可能性を探りたい。
③「家族療法モデルによるスーパーヴィジョンが目指すもの」
*本学会認定SVor研修を兼ねる。
本学会の認定スーパーヴァイザー制度がスタートして10年余を経過した。これを機に、あらためて家族療法モデルによるスーパーヴィジョンの意義と課題について、スーパーヴィジョンケースの提示とディスカッションを通じて検討する。
④「精神障害の家族支援~家族心理教育のさらなる展開に向けて~」
*心理教育・家族教室ネットワークとの共同企画
家族療法は統合失調症の家族研究に端を発している、その後、家族心理教育の登場によって、統合失調症はもとより他の精神障害についても家族支援の重要性があらためて認識されてきた。その成果をもとに、これから求められる精神障害の家族支援について展望したい。
⑤「法制度と家族支援~被害者と加害者の狭間で~」
従来からの少年非行はもとより、今日における児童虐待、DV、いじめ、さらにハラスメントなどの問題については、いずれも法制度の下で被害者と加害者が特定される。そのような枠組みの中で家族療法モデルはどこまで貢献できるのかあらためて議論したい。
⑥「赤ちゃんと家族~生殖医療技術の進歩による光と影~」
赤ちゃんの誕生は、言うまでもなく家族形成における最大のイベントであるが、今日の生殖医療技術の著しい進歩によって、母親はもとより家族はあらたな課題に直面している。遺伝カウンセリングなどの現場において家族療法モデルが貢献できる可能性を探っていきたい。
9月16日(金)16:30~18:30
7.家族向けに動機づけ面接を伝える
岡嶋美代(BTCセンター東京)
動機づけ面接とは対人援助職と当事者間での協働的な会話スタイルを保ちながら、当事者自身がもつ変化への動機とコミットメントを強めていく方法として知られている。技法が開発されたアルコール依存症の領域では、治療意欲のない当事者をどのように健康行動へと導けるかが問題となっていた。一方で、相談には家族が訪れることもあり、家族へ動機づけ面接の基本を教示することで、当事者―家族間での関係性の再構築をはかり治療意欲を高めていくことや、治療の妨げにならない対応を家族が学ぶことができる。本ワークショップでは家族向けコミュニケーション・スキル・トレーニングに特化した動機づけ面接の伝え方をまとめてみた。関係性重視のカウンセリング技法のコツは、家族訓練のみならず、さまざまな臨床でチョイ足し可能な技術でもある。エクササイズを体験していただく時間も設けたい。